それから1時間弱。F-15、アパッチヘリ、大型輸送機などを堪能した私は
いい加減戻らないと迷惑をかけると思い、電話をかけた。
「待たせて申し訳ない。今どこ?」
「え?ああ、倉庫の入口。」
すぐに倉庫入口に向かうキタ。しかし10人くらいいるはずの浜松組の姿が
どこにも見えない。バラけていても、何人かは見かけるはずなのに。
葬儀で移動があったのかなと思い、また電話。
「ああ、ヘリの前。」
さっき俺が居たとこじゃん。しょうがないなあ、と人ゴミをかきわけて
ヘリの展示スペースに行く。念のため、前だけではなく、周囲を歩く。
どこにも居ない。
まずいなあ。本格的に迷子になったのかな?こういう広い会場ではぐれると
来客1000人越えも手伝い、再び合流するのにかなり手間取る。
それだけ相手を待たせることになるわけだ。少々焦り気味で電話をする。
「えと、輸送機の前。」
・・・あれ? 俺って、撒かれてる?
鈍いわたしも、ようやく気付いた。
一人で急ぎ足で移動している私より早く、あの大所帯で動けるわけはない。
電話での指定場所は、その場その場で適当に言って、私を遠ざけているのだ。
確かに私もターミネーターみたいなナリだし、静岡組は迷彩服だ。
せっかく連れている女子高生が怖がっているのに
わざわざターミネーターを呼び戻すメリットなどどこにもない。